オブジェクト指向の思想と方法論

かわうそ兄弟商會ともゆかりが深く、ソフトウェアエンジニアでもある羽生田栄一さんが、雑誌「TURING MACHINE」(スペック) 1991年2月号から10月号にかけて連載した「オブジェクト指向の思想と方法論」(全5回)を電子版(PDF)としてお届けします。

20年前といえば、SmalltalkやC++によるオブジェクト指向プログラミング(OOP)は一般化しつつあったものの、ソフトウェア工学では構造化手法が主流であり、オブジェクト指向分析(OOA)や設計(OOD)といった方法論はまださほど注目されていませんでした(コード/ヨードン法の登場が1990年、OMT法が1990年、ブーチ法が1991年)。

そのような背景の上に書かれたこの記事は、オブジェクト指向の特徴を認識論やレトリックといった思想的な側面から論じており、大変ユニークな切り口を持っていました。また、GoFのデザインパターン(1994年)以前にクリストファー・アレグザンダーのパタン・ランゲージを紹介していることも特筆すべき点です(ただし、ケント・ベックとワード・カニンガムは1987年のOOPSLAでその可能性に言及しています)。

しかしながら、最終回で約束されていた加筆と書籍化はついになされず、掲載誌が休刊し、発行元も無くなった今となっては、これを読むことは非常に難しくなっていました。OOが手段ではなく、取り組むべき対象だった頃の空気感も含めてお楽しみください。

 


 

第1回は無料、第2回目以降は各105円(税込)です。PayPalへのお支払い確認後、PDFを開くためのパスワードを1営業日以内にメールでお送りします。iPhone、iPadをお使いの場合はiBooksで開くことをお勧めします。

 


 

羽生田栄一

株式会社豆蔵取締役CTO、プロフェッショナル・フェロー。技術士(情報工学部門)。オブジェクト指向やソフトウエア工学の実践適用に関するコンサルティ ング,セミナー講師に従事し,後進の育成にあたる。 アジャイルプロセス協議会会長,IPA/SEC設計技術部会委員,情報処理学会ソフトウエア工学研究会パターンワーキンググループ主査,IPA ITアーキテクト・コミュニティ委員,等を務める。神社と富士塚・古書店等を巡る街歩きが趣味。