目からウロコの雪女バリエーション

 雪女伝説発祥の地、青梅に、「山猫あとりゑ」を営むかわうそ兄弟の叔父さんこと小林さんを囲んで飲んでいたときのこと。叔父さんと長年の飲み仲間の某氏が、

 「青梅って雪女の伝説のある土地でしょ。」

と、頭突に雪女話をはじめた。

 叔父さん曰く、

 「うん。小泉八雲のところで働いていた女中さんが青梅の出身で、雪女の話を八雲にして、それで、八雲が文章に残して有名になったんだね。」

 ふうん、そうなのかあ、と興味深く聞いておりますと、さらに某氏、続けて言うには、

 「雪女ってさ、あれね、女がね、若いきれいなオトコをナンパする話なんだよね。で、もう飽きちゃったから、自分からかまかけてね、夫に自分の秘密をしゃべらせて、よくも約束破ったなあ、なんて言って、子どもを押し付けて自分は山に帰って行く。で、次のオトコをナンパするんだね。」

 と、あっけないほど手短に解説してくださったのでした。

 雪女はなんで、子どもを置いて山に帰ったのか? それは物語の掟か? なんて、あれこれ心理分析していたことが、なんというか、我ながらおかしくもあり。

 というわけで、ここにみなさまにも、某氏の見解をお伝えしておきます。

かしこ。

かわうそ拝。