Kawauso's blog

新年早々展覧会イタシマス/山猫あとりゑ+かわうそ兄弟商曾展 vol.2

あけましておめでとうございます。

昨年は夏の暑さにみごとに負けて、冬眠ならぬ夏眠をしてしまいましたが、涼しくなってすこしずつ仕事を始めました。

1月7日より、ひさしぶりに展示をいたします。

場所は根津のりんごやさん。

      

新年早々のスタートですが、展示期間は3週間とゆったりあります。

素数シリーズをはじめとした理工系デザインの手ぬぐいのほか、賢治の詩や季節がら雪文様をモチーフとしたブックカバー、文庫版サイズ~単行本サイズなど作ってみました。

型紙を使って、合羽摺り(かわうそはかっぱのモトとも言われております!)した葉書なども並びます。

山猫あとりゑの宮沢賢治画本シリーズからは、「黄いろのトマト」「ポラーノの広場」の原画が展示されます。

可憐で働きものの伸子さん

 

 

 「伸子」と書いて、シンシと読む。ノブコさんではありません。

 きょうはこの伸子という名の可憐な道具が、藍染め作業においていかに活躍するかについてのお話です。

 紺屋さんの土間に埋まっている藍甕は、口径が60センチ、深さも1メートル程度の大きさ。野口紺屋では、この甕で長さ13メートルの反物を染めている。

 絞り染めなら糸で括った分だけ布全体が縮むため、かなり大きな布でも藍甕にじゅうぶん入るが、型染めはそうはいかない。長さ13メートルの反物をじゃばら状に折りたたんで口径60センチの甕に入れるのだ。

 たたむといっても、両面に糊で繊細な文様が置かれているわけで、布と布の表面が接触すれば文様は崩れてしまう。しかも液体の中に入れるのだから糊はますます剥がれやすくなる。布面同士が接触しないよう、適当な空間を保ってじゃばらにしてゆかなければならない。布面同士がくっつかない、この絶妙な空間を保ちながら布をたたむのが「伸子」の役目なのです。

瞽女んぼさの三味唄につれられて/橋本照嵩写真展「瞽女(ごぜ)」

 

 

 どの写真もシャッターが押されたのは40年ほど前だ。その日その瞬間の光と影が、新たに印画紙に焼かれ時間を超えてここにある。

 瞽女さんが着ているきものやもんぺの、たぶん藍染めの絣模様、越後の早春の山なみ、田んぼに映る山影、板壁の木目、それを掠める雪の軌跡、光る積雪、かしいだ茅葺きのお堂、道端の子どもたち、村の人が働いていたり笑っていたり。

 まぶしいほどの白から漆黒まで、モノクロの粒子の階調は限りなくなめらかだ。視線だけではなく呼吸ごと脈拍ごと写真のなかへ誘われるようで、ゆったりといい気もちになる。

 瞽女さんは、盲目の女旅芸人で、三味線を弾きながらものがたりを語る。江戸時代には日本のいたるところで旅姿が見られたという。明治を経て、少しずつその姿は減り、昭和50年代には瞽女という職業そのものが消えた。いまも瞽女さんの唄や語りを「瞽女うた」として継承している方は何人かいらっしゃるが、その方たちは「瞽女」ではない。

 

やっぱりひとはたびびとなり

 

 いつも自分が定点になって風景を見て、ひさしぶりに昔住んでた町など歩きながら「変わっちゃたな―」とか「変わんないなー」とか思うのがあたりまえだと思っていました。  

 

                    

松の精のおじいさん@北野天満宮

 

 

 「もみじのにしき谷のまにまに」って誰の歌だったっけ、などと思いながら、11月の紅葉の時季、午後遅くに北野天満宮についた。

 天満宮の一の鳥居を抜けると右手に松がある。

 「影向の松」と札がたっている。初雪が降ると、この松に神様が降りて歌を詠ずるそうだ。

 そんな説明を読んでふと見ると、松の正面に、グレーのジャンパーをはおったおじいさんがひとり、頭を下げて祈っておられる。おじいさんが去られてから松に近づいて見よう、となんとなく待っていたら、踵を返して歩き始められ、足が悪いようで、そろりそろりゆっくりゆっくり、こちらに来られ、すれ違いざま、「あの松はねえ」と明るい声で話しかけられた。(おじいさんは京ことばです、念のため。)

make手ぬぐい「記号アソートwith Make」制作風景など。

  

 もう今週末、12月が来ます! ついこのあいだまで暑くて暑くて日々へとへとしてた気がするのに。

 さて、12月早々、12月1日(土)&2日(日)Maker Faire Tokyo 2012がお台場の科学未来館で開催されます。

 makeといえば、かわうそ兄弟商會のデビューの地。

 藍染めで藍Padをつくることが初期目標でしたが、まあ、紆余曲折、ひらめきとあきらめ、出会いと別れ、うんぬんかんぬん、藍Padにこだわらず、オイラーの公式や素数などを型紙に彫り、藍の型染めで手ぬぐいや扇子などをつくりつづけ、今年もまたmakeに参加いたします。

 今回のMaker Faire Tokyo 2012では、Makeとのコラボレーション企画第1弾、として、Makeのロゴをあしらった「記号アソート with Make」の「ちび手ぬぐい」(約34センチ角サイズ)をつくりました。

展覧会のお知らせ/2012.12.3~12.9 @横浜・吉田町画廊

 

 油彩やアクリルで抽象画を描かれる有川真弓さんとの二度目の二人展です。

 有川さんとはじめて吉田町画廊で二人展をしたのは2011年4月。作品準備に追われているときに東北の震災がありました。

 2010年~2011年は、宮澤賢治の詩を型染めのモチーフとしてほとんどの作品をつくっていた時期でした。

 「なにもかもみんなたよりなく/なにもかもみんなあてにならない/これらげんしやうのせかいのなかで/そのたよりない性質が/こんなきれいな露になったり/いぢけたちいさなまゆみの木を/紅からやさしい月光いろまで/豪奢な織物に染めたりする」 (宮澤賢治・「過去情炎」) という詩句などを型に彫って染めていました。奇しくも「過去情炎」は関東大震災直後に書かれた詩でした。

 

第6回ワークショップ報告/トラディショナルな絞りを習った。

 

 かわうその藍染め製品はそのほとんどが型染めです。

 上の写真の右手前のように、型紙に文字や模様を彫り、それを布の上に置いて糊をペーストする。糊が防染することで模様を残すのが型染めです。

 第6回のワークショップは、藍の一大産地である徳島の藍工房で、絞りの技術を身につけられた坂由香里さんを講師としてお招きし、「日本の伝統的な絞り」に挑戦してみました。

 上の写真のKawauso手ぬぐい以外は、すべて絞りでつくられたもの。坂由香里さんの作品です。

 絞りは基本的には糸で布を縫って縫い目をしごいて寄せ、内側に染液が入らないようにして白く残し、模様をつくるものです。糸で縫うほかに、糸や紐、輪ゴムなどで括ったり、じゃばらにたたんで幾何学模様をつけたりなど、いろいろな技法があります。

 今回は、絞りの技術に関してはまったくの初心者ばかりが集まり、3時間程度で準備が完了する技法をいくつか選んで挑戦してみました。

 どんな様子だったか写真でご報告。

藍型染扇子「素数破れ菱」「素数草文様」「夏ノ暑サニモマケヌ」

ご好評頂いている藍型染扇子に新作ができました。いずれも一品限りの限定品です(「熱伝導方程式」「記号天の川」過去情炎」も在庫僅少です)。

かわうそ兄弟商會の扇子は、建築家のクリストファー・アレグザンダーご夫妻や計算機科学者のアラン・ケイ博士にもご愛用いただいています。

炎暑の日。2012.08.22@野口紺屋

 

 

 陽射しが痛い。

 白布がまぶしい。

 「下張(したばり)」という作業中。

 糊に漬けた反物を干す。

 「きょうは30分で乾いちゃうけど、暑すぎてさすがにからだがくたびれる。」

 下張は型紙で糊置きをするまえに反物に施す。

 同じ「糊」でも、この糊はいわゆるシーツとかぱりっとさせるために糊づけする糊。

 こうやって糊づけをし布に歪みがでないようにする。この処理をしておかないと、鏡面で表裏に型を置くとき、両面がぴたりと合わない。

 

 ここ数週間は、訪ねるたび「型置き」の作業はお休みされている。暑すぎて型置きの作業には向かないそうだ。先週は反物を貼る長板を洗ったり、その前の週は長板を置く「馬」という台を土間に埋め替えたりされていた。

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